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PDFをGoogleスプレッドシート(Google Sheets)に変換する方法

Googleスプレッドシート(Google Sheets)には、PDFを直接読み込む機能がありません。そのため一度xlsxかCSVに変換して取り込むか、表をコピーして貼り付けることになります。3つの方法の使い分け、逆にスプレッドシートをPDF化する手順、スマホだけで済ませる場合のやり方を分けて説明します。

前提:Googleスプレッドシート(Google Sheets)はPDFを開けない

Googleドライブに置いたPDFを右クリックして「アプリで開く」を見ると、Googleドキュメントは出てきますが、スプレッドシートは出てきません。ドキュメント側の変換は文章向けで、表の列構造はほとんど保持されません。

「Googleドキュメントで開いてコピーする」が表では使えない理由

この方法をすすめる解説は多いのですが、表を目的にしている場合はうまくいきません。推測ではなく、Google自身がそう書いています。ドライブのOCR(PDFや画像からの文字認識)についてのヘルプには、太字・斜体・フォントサイズ・改行は通常保持される一方で、リスト、表、段組み、脚注は検出されない場合があると明記されています(Google ドライブ ヘルプ「PDF ファイルや写真をテキストに変換する」)。表の列構造は、この「検出されない場合がある」に含まれます。

同じヘルプには、多くの解説が触れていない前提条件も書かれています。あらかじめ知っておくと、原因の切り分けが早くなります。

  • ファイルは2MB以下。スキャンした請求書の束はこの時点で超えます。
  • 文字の高さが10ピクセル以上あること。小さな文字の脚注や但し書きは、読み取られないか化けます。
  • 向きが正しいこと。横向きに取り込んだPDFは、先に回転させてからアップロードします。

まとめると、ドキュメント経由が向いているのは「文章のPDFから文字を取り出したいとき」です。列に分かれた表が目的なら、下の3つの方法のどれかを選んでください。

つまり「PDF → スプレッドシート」を一手でやる方法は用意されていません。実際の流れは次の3つのどれかになります。

  • PDF → xlsx に変換 → ドライブにアップロード → スプレッドシートで開く
  • PDF → CSV に変換 → スプレッドシートにインポート
  • PDFの表をコピー → スプレッドシートに貼り付けて列に分割する

どれを選ぶかの早見表

PDFの中身・目的向いている方法理由
罫線のある表が数ページxlsx経由(手順1)列の分かれ方と、数値・文字列の区別が変換した時点のまま残ります。
金額を合計したいだけCSV経由(手順2)書式が落ちるぶん、想定外の変換が起きません。集計するだけなら十分です。
伝票番号や型番など、先頭が0の列を含むCSV経由(変換設定を切る)インポート時に「テキストを数値、日付、数式に変換」を無効にできます。xlsx経由ではこの制御ができません。
表が1つだけ・十数行貼り付け(手順3)ファイルを作らずに済みます。ただし列の分割は自分で指定します。
スキャンした画像PDFどれも不可文字データを持たないため、先にOCRが必要です(スキャンPDFの対処法)。

xlsxとCSVのどちらで受け取るべきかは、PDFをCSVに変換する方法とxlsxとの使い分けに詳しくまとめています。

手順1:xlsxに変換してから取り込む

列や書式をできるだけ保ったまま取り込みたい場合は、こちらを選びます。

  1. 変換ツールでPDFをxlsxに変換し、ダウンロードします。
  2. Googleドライブを開き、そのxlsxをドラッグしてアップロードします。
  3. アップロードしたファイルをダブルクリックすると、スプレッドシートとして開きます。
  4. 「ファイル」→「Google スプレッドシート形式で保存」を選ぶと、以降はスプレッドシートのファイルとして扱えます。

この方法では、セルの分かれ方や数値・文字列の区別が変換時点のまま引き継がれます。取り込んだあとで直すより、変換の段階で列が正しく分かれているかを確認したほうが手戻りが少なくて済みます。

手順2:CSVに変換してインポートする

数値だけを取り出して集計したい場合は、CSVのほうが素直です。書式は失われますが、そのぶん想定外の変換が起きません。

  1. PDFをxlsxに変換し、Excelまたはスプレッドシートで開いてCSVとして書き出します。
  2. スプレッドシートで「ファイル」→「インポート」→「アップロード」を選びます。
  3. インポート場所(新しいシート/現在のシートに追加など)と区切り文字を指定して読み込みます。
インポート時の設定に注意「テキストを数値、日付、数式に変換」を有効にしたままだと、伝票番号の先頭の0が消えたり、「1-2」が日付として解釈されたりします。番号や型番を含む表では、この設定を無効にしてから読み込んでください。

手順3:PDFの表をコピーして貼り付ける

行数が少なければ、ファイルを作らずに済みます。ただしPDFのコピーは列の情報を持たないため、貼り付けただけでは1列にまとまります。分割までを1つの手順として覚えてください。

  1. PDFビューアで表の範囲を選択し、コピーします。
  2. スプレッドシートのセルを選び、Ctrl+Shift+V(Macはcommand+shift+V)で「書式なしで貼り付け」を実行します。通常の貼り付けだとPDF側の書式が持ち込まれ、行の高さや文字色が崩れます。
  3. 貼り付けた列を選択し、「データ」→「テキストを列に分割」を選びます。
  4. 画面下に現れる区切り文字の選択で「スペース」または「カスタム」を選び、列が正しく分かれる設定を探します。
貼り付けでは桁区切りに注意金額の「1,234」がカンマ区切りと解釈されて2列に割れることがあります。区切り文字は「カスタム」を選び、カンマを含めない設定にしてから分割してください。

列が多い表や、ページをまたぐ表では手作業が増えるだけです。その場合は手順1のxlsx経由に切り替えてください。

1列になったものを関数で分ける

「テキストを列に分割」は元の列を上書きします。やり直したい場合や、分け方を試したい場合は、SPLIT関数で別の列に出したほうが扱いやすくなります。

  • =SPLIT(A2, " ")— 半角スペースで分けます。連続したスペースは1つとして扱われるので、桁を揃えるために空白が並んでいるPDFでもそのまま使えます。
  • =SPLIT(A2, " | ", FALSE)— 区切りが2文字以上のときは3つ目の引数にFALSEを指定します。既定のTRUEのままだと、スペースと縦棒がそれぞれ独立した区切りとして扱われ、意図より細かく割れます。
  • =SPLIT(A2, ",")— カンマ区切りにするのは、金額に桁区切りが入っていないと確認してからにしてください。「1,234」は2つに割れます。

SPLITは1行につき複数の列を返すため、ARRAYFORMULAで範囲をまとめて処理することはできません。1行目に書いた数式を、必要な行数ぶん下方向にコピーしてください。

元の列を消す前に値へ変換するSPLITの結果はA列を参照している数式です。分割できたからといって元のA列を削除すると、すべて#REF!になります。分割後の範囲をコピーし、同じ場所にCtrl+Shift+V(Macはcommand+shift+V)で値だけを貼り付けてから、元の列を削除してください。

分割した直後の値は文字列として入っていることがあります。合計が0になる、右寄せにならないという場合は数値になっていません。対象の範囲を選び、「表示形式」→「数値」を指定し直してください。伝票番号のように先頭の0を残したい列は、逆に「表示形式」→「書式なしテキスト」のままにします。

方法別に何が失われるか

どの方法でも、PDFにある情報がすべてスプレッドシートに移るわけではありません。あとから「元の資料と違う」と気づくより、先に何が落ちるかを知って選ぶほうが早く済みます。

元の情報xlsx経由CSV経由貼り付け
列の分かれ方変換した時点のまま引き継ぐ変換した時点のまま引き継ぐ自分で区切り文字を指定する
数値か文字列かの区別変換した時点のままインポート設定で決まる既定では文字列になる
先頭が0の番号変換ツールの扱いによる変換設定を切れば守れる先に書式なしテキストにすれば守れる
結合されたセル残ることがある失われる失われる
文字色・背景色・罫線一部だけ残るすべて失われるすべて失われる
セル内の改行別の行として分かれることがある失われる失われる
数式復元されない復元されない復元されない

最後の行は方法の優劣ではありません。PDFは計算結果の数字だけを持っていて、元の数式は記録されていないためです。どの経路をたどっても数式は戻らないので、合計欄や小計欄は取り込んだあとに自分で組み直すことになります。

逆方向:スプレッドシートをPDFにする

こちらは標準機能でできます。

  1. 「ファイル」→「ダウンロード」→「PDF(.pdf)」を選びます。
  2. エクスポート設定の画面で、用紙サイズ・向き・スケール・印刷範囲(現在のシート/ブック全体/選択範囲)を指定します。
  3. 「エクスポート」を押すとPDFが保存されます。

右端の列が切れる場合は、スケールを「幅を合わせる」にするか、向きを横にします。この考え方はExcelでも同じで、詳しくはエクセルをPDFに変換・保存する方法|Windows・Mac・スマホにまとめています。

スマホだけで完結させる場合

iPhone・Androidでも、ブラウザとスプレッドシートアプリがあれば同じ流れで進められます。

やることスマホでの手順
PDFをxlsxにするブラウザで変換ツールを開き、ファイルアプリからPDFを選ぶ
ドライブに置くダウンロードしたxlsxを「共有」からGoogleドライブへ保存
開くドライブアプリで開くと、スプレッドシートアプリに引き渡される
PDF化するスプレッドシートアプリの「共有とエクスポート」→「名前を付けて保存」→PDF

ただし、列のずれを直す作業はスマホの画面では手間がかかります。表が大きい場合はパソコンで開いたほうが確実です。判断の目安はスマホでPDFをエクセルに変換する方法|iPhone・Android・iPadの手順に整理しています。

うまくいかないときの確認点

  • 取り込んだが1列にまとまっている。変換の時点で列が分かれていません。手順3の「テキストを列に分割」でも直せますが、変換ツール側で罫線の扱いを切り替えて出し直すほうが早いです(列がずれる原因と対処)。
  • 文字が □ や ? になる。元のPDFのフォント情報の問題です(文字化けの直し方)。
  • そもそも文字が取り出せない。スキャンした画像PDFの可能性があります(スキャンPDFの対処法)。
  • アップロードしたxlsxが開けない。ファイルサイズの上限を超えていないか、拡張子が.xlsxのままかを確認してください。

取り込んだあとに必ず照合する

PDFからの表の復元は推測を含みます。スプレッドシートに入れたあと、合計欄の値・行数・先頭が0の番号・金額の桁の4点は、元のPDFと突き合わせてください。関数で集計を始めるのはそのあとです。

この記事の根拠にした一次情報

仕様や手順は、策定元・開発元の公式資料を確認したうえで記述しています。

  1. PDF ファイルや写真をテキストに変換するGoogleドキュメント経由の変換では表・リスト・段組みが検出されない場合があること、および2MB・文字高10ピクセルという条件
  2. SPLIT 関数Google区切り文字の指定と、第3引数・第4引数の既定の挙動
  3. Office Open XML File Formats(ECMA-376)Ecma Internationalxlsx経由で取り込む場合に扱う .xlsx の形式

このページの内容は2026年9月1日時点のものです。